衣替えは、服を入れ替えるだけでなく、手放すものを決める機会にもなります。捨てる基準は他所でもよく紹介されていますので、ここでは少し違う話をします。
お宅にお伺いすると、玄関先に大きな袋が三つ四つ並んでいることがあります。「衣替えのついでに、思い切って処分しようと思って」。その袋の口から、たたんだ和装の生地がのぞいていることがあります。
先に結論
「1年着ていない」「傷んでいる」で分けたあとに、もう一度だけ見てほしい山があります。和装一式、帯や反物、毛皮、そして箱に入ったままのもの。この四つは普段着と同じ袋に入ってしまいやすく、そのまま処分に回りがちです。
この記事で確認できること
- 衣替えを止めずに進める区切り方と、迷わず手放せるものの目安
- 捨てる山に入れる前に、別にしてほしい四つ
- 和装をどう扱うか
- その日に決められないときの進め方
範囲を区切って、迷わないものから
衣替えが途中で止まるのは、量が多いからではありません。全部を一度に決めようとするからです。
引き出し一段、あるいはクローゼットの一列と決めて、そこだけを終わらせます。私たちが査定でお伺いしたお宅でも、部屋ごとに区切って見ていきます。まとめて見ようとすると、どこまで確かめたのかが分からなくなるからです。
範囲が決まったら、判断が要らないものから手を付けます。
- 裾や袖がほつれている、直しても着られそうにないもの
- 汗じみや黄ばみが落ちなかったもの
- 伸びきったゴム、劣化して固くなったプリント
- 片方だけになった手袋や靴下
- サイズが合わなくなり、直す予定もないもの
このあたりは考えなくても手が動きます。ここまでで一区切りついても構いません。
捨てる山に入れる前に、別にしてほしい四つ
ここからが本題です。上の基準で分けていくと、判断のつかないものが必ず出てきます。急いでいると、それも同じ袋に入ってしまいます。
この四つは、たんすの奥や天袋にしまわれていることが多く、衣替えのときに初めて出てきます。普段着と一緒に袋へ入れず、床の別の場所に置いておいてください。
スタッフのひとこと
藍染の古布や着物地が、当店に届いたこともあります。仕立て直しやリメイクの材料として、生地のまま扱われることもあります。着られる状態かどうかだけで決めず、まずは分けておいていただけると助かります。
和装は、普段着と分けて考える
たんすの引き出しを開けたときに、たとう紙が何枚も重なって入っていることがあります。「これ、母のものなんですけど」とおっしゃりながら出してくださる方もいます。そのままの状態で見せていただければ、こちらで一枚ずつ確かめます。開いて広げていただく必要はありません。
着物は、しまい方と状態の見え方が洋服とは違います。証紙や落款が残っているか、たとう紙に包まれていたか、湿気の影響が出ていないか。見るところが別にあります。
たんすから出てきた着物の扱いはこちらの記事にまとめました。畳んだままで構いませんので、洋服とは別の場所に置いてください。
その日に決められないものは、置いておく
衣替えは一日で終わらせる作業ではありません。判断が付かないものを無理に決めると、あとで後悔が残ります。
私たちも、その場で決まらないものを無理にお勧めすることはありません。お客様が決めかねているときは、いったん置いておきましょうとお伝えしています。
迷ったものは、たたんだままスマートフォンで一枚だけ撮っておいてください。全体が入っていれば十分です。写真を見ていただければ、こちらから状態の確認をお伝えできます。
手を止めずに進められるので、衣替えそのものはその日のうちに終わります。
まとめ
衣替えは、基準で分けたあとの一手間で結果が変わります。
- 範囲を区切る。引き出し一段、クローゼット一列
- 傷み・汚れ・サイズで、迷わないものから手放す
- 和装一式・反物・毛皮・箱に入ったままのものは、別の場所に置く
- 着物は洋服と見るところが違う。畳んだままで構わない
- 決められないものは写真を一枚。その日に決めなくてよい
玄関先に並んだ袋から和装の生地がのぞいていたときは、声をかけて出していただいています。袋に入れた後でも間に合うことがあります。
決めきれないものは、袋に入れずに残しておいてください。次の衣替えのときに、また見ればいいだけです。






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