こんにちは。リサイクルショップバイキングのスタッフです。富山・石川で、骨董品や美術品の買取、遺品整理のお手伝いを続けてきました。
査定にお伺いすると、譲り受けたばかりの品物を前に、こう言われることがあります。「置き場所がなくて、とりあえず段ボールに入れてあるんです」。玄関の隅や、階段下の物入れ。査定に伺うと、そうした場所から段ボールごと出していただくことがあります。
先に結論
特別な設備は要りません。人が普通に暮らしている部屋の、床から離れた低い位置に、箱ごと置いてください。洗わない、磨かない、箱を捨てない。この3つを守るだけで、状態はかなり保てます。
保管でいちばん大事なこと
骨董品の保管でお願いしているのは、置き場所を決めて、むやみに動かさないことです。これに尽きます。
棚から下ろすとき、包みを開けるとき、また戻すとき。触る回数が増えるほど、危ない場面も増えます。保管そのものより、動かす場面のほうに気をつけていただきたいのです。
温度や湿度の管理をご質問いただくことがあります。ただ、私たちがまず見ているのは「置き場所が定まっているか」です。段ボールに入れたまま部屋を移動させている状態が、いちばん危ないと感じています。
置き場所の選び方
置き場所には、人が普段いる部屋が向いています。ご自身が暑い、寒い、じめじめすると感じる場所は、お品にとっても同じです。
私たちがお客様のお宅で置き場所を拝見するときは、次のあたりを見ています。
- 床に直接置かない(すのこや台を1枚挟む)
- 高い棚の上には置かない(落ちたときに戻せません)
- 窓辺と、エアコンの風が直接当たる場所を避ける
- 壁にぴったり付けず、少し離す
- 暖房器具のそば、台所のそばは避ける
お品を蔵や納戸にしまっている方もいらっしゃいます。湿気のこもり方や季節ごとの見回り方は骨董品と湿気についての記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
手に取るときの持ち方
お品を手に取るときは、両手で持つこと、そして机の上で扱うことをお願いしています。
畳や絨毯の上で広げると、足元が見えなくなります。作業する場所を先に片付けて、布を一枚敷いてから出す。この順番だけで、ぶつける事故が減ります。
私たちが現場でしているのも、同じ3つです。
急須や鉄瓶のように、持ち手と蓋が別に付いているものは、とくに気をつけて持ってください。壊れやすいのは、取っ手や蓋のつまみのように細くなっているところです。中国茶器の急須をお預かりした記録もあります(在銘 朱泥 急須の買取記録)。
手袋をしたほうがよいか、とご質問をいただくことがあります。慣れない手袋は滑ります。素手でも構いませんので、手を洗って、乾かしてから触っていただくほうが安全だと考えています。
箱と紙は、中身と一緒に取っておく
箱と、一緒に入っていた紙は取っておいてください。これは強くお伝えしたいところです。
作者が自分で書いた箱を共箱と呼びます。箱の蓋や側面に、作品名や作者名、年代が書かれていることがあります。査定では、こちらでこの文字を必ず読みます。
鑑定書や、由来を書いた紙が一緒に残っていることもあります。ぱっと見はただの紙切れですが、作品の来歴をたどる手がかりになります。箱や鑑定書、書付、その他の付属品は、中身と一緒にしておいてください。
スタッフのひとこと
箱だけが物置に残り、中身は別の部屋。そういう分かれ方をしたお品を、何度も拝見してきました。あとから合わせようとしても、どの箱がどの品物のものか分からなくなります。分けないでください。それだけです。
当店のブログにも、箱と一緒にお預かりした記録が残っています。信楽焼の珈琲茶碗は、共箱ごとお預かりしました。四代高橋楽斎の作として記録に残しています(信楽焼 珈琲茶碗 共箱ありの買取記録)。有田焼の茶器セットは、急須・湯冷まし・湯呑み5客に共箱が付いていました(有田焼 茶器セット 共箱ありの買取記録)。箱書きは手がかりのひとつで、それだけで作家性を判断できるものではありませんが、こちらが確かめる材料は確実に増えます。
掛け軸は、きつく巻かない
掛け軸で気をつけていただきたいのは、きつく巻かないことです。巻きすぎると、紙にも絹にも折れの筋が入ります。
巻き終わったら桐の箱に納めて、横にして置いてください。立てたままだと、下の端に重さがかかり続けます。
年に一度、湿度の低い晴れた日に箱から出して、広げずに風を通す。半日で構いません。虫やカビは、閉じたままの環境で進みます。
巻き方の次は、器のしまい方です。
陶磁器と茶道具は、重ねない・高く置かない
陶磁器と茶道具は、重ねないこと、低い位置に置くこと。この2つです。
お皿を重ねるときは、間に柔らかい紙を挟んでください。何も挟まないと、擦れた跡が付きます。織部の四方皿を共箱ごとお預かりしたこともあります(織部 四方皿 共箱ありの買取記録)。箱に納まったまま保管されていたお品は、状態を確かめやすくて助かります。
古い陶磁器には、表面に細かいひび(貫入)が入っていることがあります。見た目の模様として楽しまれてきたものですが、そこから水分が入ります。貫入のあるお品は、水に浸けないでください。
お手入れは、埃を払うところまで
お手入れは、柔らかい布や筆で埃を払うところまでにしてください。
水洗い、洗剤、研磨剤は使わないでください。汚れが落ちたように見えても、表面の古い層まで一緒に取れていることがあります。金属の錆も同じで、こすった跡は戻りません。
売却をお考えの場合は、なおさら手を入れないでください。汚れたままの状態で拝見できるほうが、判断しやすくなります。
骨董品・古美術品の査定について
掛け軸・陶磁器・茶道具などの査定で見るポイントは、骨董品買取の専門サイトで詳しくご案内しています。富山・石川・福井の北陸3県は、ご相談と出張査定に費用をいただきません(ほかの地域はご相談ください)。
専門家に見てもらったほうがよいとき
次のような変化が出たときは、早めにご相談ください。自分で直そうとすると、傷が広がります。
カビが生えた。表面の色が変わってきた。ひびが入った。接着剤が剥がれてきた。いずれも、時間が経つほど戻しにくくなります。
保管場所を変えたい、置き場所に困っている、というご相談でも構いません。手放すかどうかは、そのあとで決めていただければと思います。
よくある質問
段ボールに入れたままでも大丈夫ですか
床に直接置かないでください。すのこや台を1枚挟んで、壁から少し離すだけでも変わります。段ボールは湿気を吸うので、底が波打っていたら置き場所を変えるサインです。
手袋はしたほうがよいですか
慣れない手袋は滑ります。素手で構いませんので、手を洗って乾かしてから、両手で持ってください。
箱がぼろぼろなのですが、捨ててよいですか
残しておいてください。傷んでいても、蓋や側面の文字は読めることがあります。中身と一緒にしておいていただければ、こちらで確認します。
まとめ
骨董品の保管は、特別な設備よりも、日々の扱い方で決まります。置き場所を定めて、動かす回数を減らし、洗わず、磨かず、箱と一緒にしておく。
置き場所を定める、動かす回数を減らす、洗わない、磨かない、箱と一緒にする。掛け軸のように巻いてしまうお品は、年に一度風を通してください。
判断に迷うお品が出てきたときは、そのままの状態でご相談ください。写真をお送りいただくだけでも、お話は始められます。
ご注意:保管の方法は、素材や状態によって向き不向きがあります。傷みが進んでいるお品は、この記事の一般的な方法だけで判断せず、現物を拝見したうえでご相談させてください。
リサイクルショップバイキング富山本店
リサイクルショップバイキング根塚店
リサイクルショップバイキング金沢本店






コメント