空き家の「紙もの」整理:通帳・保険・権利書・契約書の探し方と保管
こんにちは。リサイクルショップバイキングのスタッフです。富山・石川で、空き家の片付けや遺品整理のお手伝いをしています。
現場に伺うと、まず目に入るのは家具や家電です。大きいですし、運び出す段取りも要ります。ただ、片付けを始める前にお願いしていることが一つあります。紙ものを先に探してください、ということです。
小さくて、地味で、いちばん後回しにされがちなもの。それでいて、あとから困るのはたいていこちらのほうなんです。
先に結論
家具より先に、紙ものを探してください。通帳、保険証券、権利書、契約書。この4つがあるかないかで、その後の手続きの手間がまるで変わります。見つからなくても手がかりは残っています。郵便物です。捨てる前に、まず1年分だけでも目を通してください。
なぜ、紙ものが先なのか
理由は単純で、捨ててしまうと戻らないからです。
家具や家電は、判断を間違えても買い直せます。けれど、通帳や証券は再発行に時間がかかりますし、そもそも「あった」ことに気づかなければ探しようがありません。相続の手続きが絡む場合は、揃っているかどうかで進み方がはっきり変わります。
片付けの現場では、業者が入って一気に運び出したあとに「あの書類、どこへ行った」となる。これがいちばん多い困りごとです。だから、順番だけは守ってください。時間はそれほどかかりません。半日で足ります。
探しておきたい4つの紙もの
通帳と、お金まわりの書類
通帳、キャッシュカード、定期預金の証書、証券会社からの書類。資産の状況を知る手がかりになります。最近は、複数の銀行を使い分けている方や、通帳のないネット専用の口座だけという方も増えました。
通帳が見つからなくても、諦めないでください。金融機関から届いたはがきやお知らせが残っていれば、そこから取引先が分かります。それと、封筒の中に現金が入っていることもあります。空に見える封筒も、一度は開けてみてください。
保険証券と共済の書類
生命保険、医療保険、火災保険、自動車保険。この4種類は、一つのファイルにまとめて保管されている方がいる一方で、加入した時期がばらばらなぶん、家のあちこちに散らばっている家も少なくありません。請求しなければ受け取れないものですから、見落とすとそのままになります。
現場でよく伺うのが、この一言です。
「保険に入っていたのは間違いないんです。どこの会社かまでは、分からなくて」
証券が出てこない場合は、口座の引き落とし履歴やカードの明細が手がかりになります。毎月、決まった日に同じ金額が落ちていれば、それが保険料であることが多いからです。勤め先の団体保険や共済に入っておられたケースもありますので、退職のときに受け取った書類や、仕事関係のファイルも開いてみてください。年賀状の束から担当者の名前が出てきて、そこから辿れた。そんな回り道もあります。
スタッフのひとこと
封を切っていない郵便が、玄関先に積み上がったままのお宅は珍しくありません。ご本人が長く入院されていれば、どうしてもそうなります。その中身が、保険の契約内容のお知らせだったこともあります。急ぎに見えない一通ほど、あとになって効いてきます。
権利書・登記に関する書類
不動産の権利書(登記済証、登記識別情報通知)は、家そのものに関わる書類です。金庫、耐火の保管ボックス、仏壇の引き出し。厳重にしまわれていることが多く、逆に言えば、そういう場所を探せば出てきます。
困るのが、鍵の見当たらない金庫です。「もう開かないから」と、中を確かめないまま運び出す段取りにしてしまう方がおられます。その場でこじ開けないでください。金庫は最後まで残す。この一つを決めておくだけで、あとの後悔がずいぶん減ります。
権利書が見つからない場合でも、手続きそのものが止まるわけではありません。ただ、司法書士による本人確認の書類が別途必要になるなど、手間は増えます。ここから先は法律の専門家の領域ですので、私どもから断定的なご説明はいたしません。不動産そのもののご相談は、内容に応じて提携する専門家へおつなぎしています。
契約書類
いま生きている契約が残っていることがあります。電気、ガス、水道、電話、インターネット、新聞、月額のサービス、ローンやリース。指を折って数えるだけで、すぐ両手が埋まります。
空き家のまま放っておくと、使っていないのに料金だけが発生し続けます。片付けと同時に、契約の一覧を作っておくと後が楽です。紙1枚で構いません。
探す場所には、家ごとの癖
不思議なもので、紙ものの置き場所には家ごとの癖があります。現場でよく出てくるのは、この6か所です。
- 箪笥の引き出し(いちばん上か、いちばん下)
- 仏壇・神棚の収納部分
- 書斎の机の引き出し、本棚の隙間
- 押し入れの書類箱、菓子の空き缶
- 金庫、耐火のバッグ
- 台所の棚(家計を管理していた方の定位置)
最後の一つを意外に思われるかもしれません。ただ、家計を見ていた方が台所にまとめていた、という家は本当に多いんです。書斎だけ探して見つからず、諦めかけたところで菓子の缶から出てきた。そういう場面を何度も見てきました。
6か所を一日で回ろうとしなくて構いません。上から順に、1か所ずつで十分です。
郵便物という、いちばん確実な手がかり
書類が見つからないときに頼りになるのが、過去の郵便物です。金融機関、保険会社、証券会社、不動産の会社。差出人を並べていくだけで、契約や資産の全体像が見えてきます。
直近の1年から3年分。ここだけは、片付けの最初に確保しておいてください。段ボール1箱に集めて、あとでゆっくり仕分ける形でも構いません。仕分けは後日で間に合います。捨てるのは、いちばん最後です。
実際の現場から
当店のブログには、実際にお伺いした記録が残っています。
かほく市・内灘町の空き家での出張買取と不用品の片付け。家財と書類が混ざったまま置かれていた現場です。伺うときにいつもお伝えしているのは、「捨てないで、今のまま見せてください」の一言です。手をつける前の状態のほうが、どこに何がありそうか、かえって読めるからです。
金沢本店で遺品整理にお伺いした記録も残しています。どんな状態のお宅でも、そのままの状態で見せていただくところから始める。やり方は、この現場でも同じでした。
遺品整理のご依頼で、骨董品の査定にお伺いした記録もあります。金沢市内で、遺品整理に伴って骨董や掛け軸の見積もりに伺った例も残しています。
どの現場でも共通しているのは、紙ものが一か所にまとまっていないことです。だからこそ、先に探す時間を取っておく価値があります。
遺品整理・実家整理の料金について
お部屋の広さごとの料金の目安は、遺品整理の専門サイトに掲載しています。出張でのお見積もりは無料です。
見つけたあとの整理は、3つの手順で
集めただけで終わると、結局また探すことになります。段ボールに放り込んだままの箱を、二度も三度も開け直す。ご兄弟が交代で実家に通っておられるお宅では、これが特に起こりやすいところです。手順は3つだけです。
手順02が地味に効きます。古い契約と新しい契約が混ざっていると、どれが生きているのか分からなくなるからです。日付順に並べるだけで、いま有効なものが上に来ます。
手順03の一覧は、体裁を気にしないでください。ノートの見開き1ページで十分です。「まだ無いもの」を書き出しておくと、次に押し入れを開けたときに、目のほうが勝手に探してくれます。
保管と、処分するときの注意
分け終えた書類は、まとめて一か所に置いてください。相続の手続きでは、同じ書類を何度も出すことになります。持ち出しやすい場所にあるかどうかで、負担がずいぶん違います。
処分するほうにも注意が要ります。口座番号、住所、生年月日、保険の証券番号。個人情報が載った紙は、そのまま資源ごみに出さないでください。細かく裁断するか、自治体の案内に従って処分します。
判断に迷う書類は、残しておく側に倒してください。あとで捨てるのは簡単ですが、逆はできません。
まとめ:家具より先に、紙ものを
空き家の片付けは、目に見えて減っていく家具のほうが達成感があります。それでも、順番だけは変えないでください。
紙ものを先に探す。見つからなければ郵便物から辿る。種類ごとに分けて、日付順に並べて、一覧を1枚作る。ここまでやっておけば、あとの片付けは思い切って進められます。
冒頭でお伝えした「あとから困るのは紙もののほう」は、そのまま裏返しになります。先に押さえておけば、あとで困りません。
よくある質問
通帳が1冊も見つかりません。どうすればよいですか?
郵便物を先にご確認ください。金融機関からのお知らせやはがきが残っていれば、取引先の手がかりになります。引き落としの履歴から契約が分かることもあります。
権利書が見当たらない場合、家の手続きは進められませんか?
進められないわけではありません。ただし、司法書士による本人確認の書類など、追加の手続きが必要になる場合があります。不動産に関するご相談は、内容に応じて提携する専門家へおつなぎします。
紙ものの整理も依頼できますか?
家財の片付けと合わせてご相談いただけます。ただし、重要書類の仕分けはご家族が確認される前提でお預かりし、こちらで処分の判断はいたしません。
個人情報が載った書類は、どう捨てればよいですか?
細かく裁断するか、お住まいの自治体の案内に従って処分してください。判断に迷うものは、いったん残す側に置いておくことをおすすめします。
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