こんにちは。リサイクルショップバイキングのスタッフです。富山・石川で、空き家の片付けや遺品整理のお手伝いをしています。
現場でいちばん多く聞く言葉があります。「古い物ばかりだから、全部処分でいいです」。
その気持ちは、よく分かります。量が多いですし、一つずつ悩んでいたら日が暮れます。ただ、家財を運び出して部屋が空になり、業者さんも引き上げて、ようやく一段落したころになってから「そういえば、あの箱はどこへやったかな」とご連絡をいただくことも、同じくらい多いんです。急いだ日ほど、あとで思い出すものが増えます。
先に結論
処分の判断に迷いやすいものを、20項目にまとめました。並べ替えも、掃除も要りません。「これは捨てる前に一度見せてください」という一覧だとお考えください。品物の扱いは、実物を拝見してからご相談します。
空き家に残るのは、種類の混ざった山
空き家に残っているのは、今のリサイクル品だけではありません。骨董、古道具、収集品、贈答品、業務用の道具、民芸品、昭和の雑貨。ひとつの家の中で、いくつもの種類が混ざり合っています。
やっかいなのは、判断に迷うものほど目立たないことです。床の間の掛軸も、納屋の隅に積まれた升も、住んでいた方にとっては生まれたときからそこにあった風景の一部で、わざわざ特別な場所にしまわれることもないまま、ほかの家財と一緒くたに残されます。目立たない。だから、先に消えます。
ですから、「高そうな物を探す」という探し方は、あまりうまくいきません。代わりに「捨てる前に一度止まる」ほうを覚えてください。次に挙げる20は、現場で見落とされやすかったものを集めたものです。
捨てる前に見てほしい20
順番に意味はありません。上から順に読んでいただかなくても、心当たりのある項目だけ拾っていただければ十分です。
1. 掛軸・額装の絵
床の間の壁、押し入れの天袋、箪笥の上の細長い箱。丸めた掛軸は、たいていこのあたりから出てきます。作者は分からなくて構いません。箱書きや落款が読めなくても、そのまま一緒に残していただければ、こちらで確認します。
2. 茶道具一式
茶碗、棗、茶杓、水指、建水、釜、風炉、花入。名前の分からないものが混ざっていても大丈夫です。大事なのは、まとめたまま残すこと。一式として残っているかどうかで、拝見したときの見え方はかなり変わります。共箱や仕覆は、中身から離さないでください。
3. 古い和食器
食器棚の奥は、いちばん後回しになる場所です。染付の皿、印判皿、猪口、小鉢、徳利。五枚組・十客組のまま木箱に入っているものは、数がそろっているかどうかで見え方が変わりますので、中身を出したり別の器と混ぜたりせず、箱ごと崩さずに置いておいてください。欠けているから、と早々に処分の山へ移してしまうのは、少しもったいないところです。
4. 未使用の贈答品
箱に入ったまま、押し入れで何十年も眠っている品があります。漆器、カトラリー、ガラス器、来客用の食器一式。包装紙が日に焼けていても、開封せずに残しておいてください。
5. 箪笥・小引き出し
大型の婚礼箪笥は、正直なところ見方が分かれます。一方で、帳場箪笥や薬箪笥、小ぶりの小引き出しのように、造りと古さそのものが手がかりになる家具もあります。磨かないでください。拭き込むと、経てきた時間の跡まで消えてしまいます。
6. 古民具・農具
納屋や土間に残った升、ざる、桶、木箱、背負子、古い農具。単品でぽつんと置かれているより、まとまって残っているほうが、その家の暮らしぶりまで伝わります。並べ直さなくて結構です。積んであるまま拝見します。
7. 火鉢・香炉・鉄瓶
和室と倉庫の定番です。重くて、煤けていて、いかにも古びて見える。それでも金工の品として見どころが残っていますので、錆やくすみを落とすのはやめてください。磨いた跡は、元に戻せません。
8. 置物・彫刻
応接間の飾り棚、床の間、玄関の靴箱の上。素材は木、陶器、金属、石とばらばらで、ご自身で見分けるのは難しい分野です。迷ったら残す。それで十分です。
9. 古い時計
柱時計、置時計、腕時計、懐中時計。動かなくても構いません。止まったまま壁に掛かっている柱時計も、そのまま外して置いておいてください。付属の箱や説明書、保証書が引き出しに残っていれば、時計と一緒にしておいていただけると助かります。
10. カメラ・レンズ
押し入れの奥から、革のケースごと出てくることが多い品です。フィルムカメラ、二眼レフ、蛇腹カメラ、交換レンズ、三脚。レンズが曇っていても、そのままで結構です。
11. レコード・オーディオ機器
演歌、歌謡曲、ジャズ、クラシック、落語。ジャンルは問いません。真空管ラジオ、アンプ、スピーカーも同じ扱いです。段ボール一箱にまとめて残っていると、こちらも一度に拝見できて話が早くなります。
12. 切手・古銭・記念硬貨
引き出しの封筒、古いアルバム、菓子の缶。この三つは、中を確かめてから処分してください。額面だけで判断せず、そのまま残していただくのがいちばん確実です。
13. 勲章・徽章・記念品
木箱に入った勲章や、表彰の記念品。由来の分かる書類、賞状、写真が一緒にあれば、必ずまとめて残してください。品物そのものより、添えられた紙のほうが多くを語ることもあります。
14. 書道具・硯・墨・筆
文机の引き出しや書棚に、静かに眠っている分野です。古い硯、木箱に入ったままの墨、使い込まれた筆。水で洗わないでください。そのままの状態で拝見します。
15. 仏具・神具
りん、香炉、燭台、木魚、古い神棚の道具一式。扱いに困って手が止まる、という声をいちばん多くいただくのがここです。急がなくて大丈夫です。ご自宅の宗派やお寺とのお付き合いによって進め方が変わる部分ですので、処分の順番も、お焚き上げをどうするかも、片付けを始める前に一度ご相談いただくのがいちばん確実です。
16. 着物・帯・和装小物
桐箪笥を開けたら、上から下までびっしり。よくある光景です。すべてが同じ扱いになるわけではありませんが、作家物や産地物、帯、反物は、たとう紙ごと分けずに残してください。
17. 昭和のおもちゃ・雑貨
ブリキの玩具、ソフビ人形、企業のノベルティ、ホーロー看板、古い文具。子ども部屋の押し入れや、店舗だった建物の物置から出てきます。「こんなガラクタ」と言われることの多い分野ですが、探している方は確かにいます。
18. アクセサリー・貴金属
古いバッグ、財布、アクセサリー、金・銀・プラチナの製品。金具が壊れていても、留め具が片方なくなっていても、素材として確認できます。まとめて袋に入れておいてください。
19. 工具・大工道具
鉋、鑿、鋸、万力、測定器、木の工具箱。使用感は気にされなくて結構です。倉庫と作業場は、家の中でいちばん見落とされる場所。ご家族が「あそこはガラクタしかないから」とおっしゃって案内すらしてくださらない物置から、丁寧に研がれた道具がひとそろい出てくることもありますので、一度は開けてみてください。
20. 箱・鑑定書・しおり・購入の控え
これは品物ではありません。それでも、20のなかでいちばん大事かもしれません。共箱、保証書、鑑定書、百貨店の包み紙、購入時の控え。どれも本体の来歴を伝えてくれる紙で、これが残っているかどうかで、拝見できることの幅が変わります。捨てる前に、必ず確認してください。
スタッフのひとこと
20番を最後に置きましたが、現場でいちばん惜しいと感じるのはここです。品物は残っているのに、箱と書類だけ先に捨てられている。紙は軽いので、片付けの最初に処分されてしまうんです。紙だけでも、一箱にまとめておいていただけると助かります。
紙の話を、もう少しだけ続けさせてください。片付けは、軽くて運びやすいものから手を付けるのが普通です。だから紙がいちばん先に消えます。段ボールを一つ「紙だけ入れる箱」と決めて、部屋を回りながらそこへ放り込んでいく。手間はほとんど増えませんし、あとの話がずいぶん楽になります。
実際の現場から
当店のブログには、実際にお伺いした現場の記録が残っています。
かほく市・内灘町の空き家での出張買取と不用品の片付け。家財と道具が混ざったまま残されていた現場です。この記事の中でも、私たちはお客様にお伝えしているのと同じ一文を、そのまま書いています。「まず捨てないで、今のままを見せてください」。何年も、同じことを言い続けているわけです。
遺品整理のご依頼で、骨董品の査定にお伺いした記録もあります。骨董品は、好きな方ならともかく、興味のない方にはまったく分からないものだと思います。分からないまま処分されてしまうより、「分からないので見てほしい」と言っていただくほうが、こちらはずっと動きやすいのです。
金沢市内で、遺品整理に伴って骨董や掛け軸の見積もりに伺った例も残しています。遺品整理は、そう何度も経験するものではありません。どこに相談すればいいのか、何から手を付ければいいのか。分からないところから始まって当たり前です。
どの現場でも、この20項目が全部そろっているわけではありません。ただ、2つや3つは必ず出てきます。
遺品整理・実家整理の料金について
お部屋の広さごとの料金の目安は、遺品整理の専門サイトに掲載しています。出張でのお見積もりは無料です。
料金の見通しが立つと、片付けの手は急に速くなります。段取りが決まるからです。ただ、そこでもう一つだけお伝えしておきたいことがあります。急いで動くときほど、良かれと思ってやってしまうことがあるのです。
見つけたときに、やらないでほしいこと
気になるものが出てくると、つい手をかけたくなります。ここが落とし穴です。
掛軸を広げて、元のように巻けなくなる。陶器を洗って、箱まで濡らしてしまう。鉄瓶を磨く。古い時計を分解する。着物を思い切り天日に干す。どれも「せっかくだから、きれいにしてから見てもらおう」という善意から始まっています。それでも、状態は変わってしまいます。
古い品物は、きれいであることと、拝見したときに読み取れることが必ずしも一致しません。汚れやくすみ、箱の傷み、糊の跡といったものが、その品がどこでどう扱われてきたかを教えてくれる場合があるからです。触らずに置いておく。準備としては、これがいちばん手がかかりません。
三つのうち、いちばん大切なのはお願い03です。あとから処分するのは簡単ですが、その逆はできません。迷ったら残す。それだけ持ち帰っていただければ、この記事の役目は果たせます。
まとめ:全部処分の前に、一度だけ止まる
空き家の片付けは、手を止めるほど進みません。それは分かっています。それでも、一度だけ止まっていただきたい場面があります。
床の間、押し入れの天袋、食器棚の奥、納屋、そして箱と紙の入った引き出し。この5か所だけは、処分の山に入れる前に覗いてみてください。20項目の大半は、だいたいこのどこかにあります。
冒頭の「古い物ばかりだから、全部処分で」に、あらためてお答えします。全部でなくて大丈夫です。迷ったものだけ、脇に置いておいてください。仕分けの正解を出すのは、私たちの仕事ですから。
よくある質問
量が多くて、選ぶ時間がない
選ばなくて大丈夫です。部屋ごと、棚ごとの状態で拝見できます。無理に仕分けせず、そのままご相談ください。
汚れているものは掃除してから見せたほうがいいのか
そのままでお願いします。掃除の途中で状態が変わり、かえって確認しづらくなることがあります。
捨ててよいか迷うものの扱い
残す側に置いておいてください。処分は後からでもできますが、戻すことはできません。
不動産そのものも相談できるのか
家財の整理や片付けをご相談いただけます。不動産の売却や活用に関するご相談は、内容に応じて提携する専門家へおつなぎします。
リサイクルショップバイキング富山本店
リサイクルショップバイキング根塚店
リサイクルショップバイキング金沢本店






コメント
コメント一覧 (1件)
[…] […]