仏間の引き出しの奥から、古い菓子箱が出てきます。ふたを開けると、黒ずんだ穴あきの銭が何枚も入っています。大掃除や遺品整理、空き家の片付けの途中で、古いお金はこうして出てきます。
リサイクルショップバイキングのスタッフとして、お願いしたいことがあります。古銭や記念硬貨は、汚れていても磨かず、ケースやセットのまま見せてください。
「こんなに黒くなったお金、見てもらうほどのものでしょうか」。そう迷われる気持ちは分かります。けれど、黒ずみを落とす前に、まず見せていただきたいのです。
先に結論
黒ずみやさびは落とさずに、そのままお持ちください。ケース・鑑定書・貨幣セットの入れ物は本体から外さず、価値がなさそうな1枚も先に抜かないこと。この3つを守っていただければ、あとは写真からご相談いただけます。
黒ずみを磨くと、硬貨の表面が削れてしまう
古いお金を見つけたとき、まず汚れを落としたくなります。けれど、2016年の古い貨幣の記事に、当店はこう書いています。「どんなに錆びていたり、黒くなっていても磨かないでくださいね!!」。
理由も、その記事にあります。磨いたり薬品で洗ったりすると、硬貨の表面が削り取られて傷んでしまうからです。同じ年の記念メダルの記事では、柔らかい布で拭くだけでも細かな傷がつくおそれがある、と書きました。
表面についた傷は、あとから元には戻せません。金貨の記事でも、「きれいではなく、傷がいっぱいついている金貨は買取してもらえるのかな?」というお悩みを挙げて、気軽に聞いてほしいとお伝えしてきました。黒ずみや傷があるままで構いません。私たちは、その状態から確かめていきます。
汚れの次に気を付けていただきたいのが、硬貨の入れ物です。
ケース・鑑定書・貨幣セットは崩さずにまとめておく
2016年の同じ記事には、もう一つお願いが書いてあります。ケースやシートに入っているものは、そのまま鑑定書や付属品と一緒に持ってきてほしい、というお願いです。具体的には、次のものを外さずにおいてください。
- 1枚ずつ入っているプラスチックのケースやホルダー
- 記念硬貨・記念メダルに付いていた鑑定書や説明書き
- 何枚かが一組になった貨幣セットの入れ物(中から抜き出さない)
セットを崩さない理由は、2018年に大蔵省造幣局の貨幣セットをまとめてお預かりしたときの記事に書いています。その記事では、評価の決め手の一つに、セットが1点も欠けることなく保存状態が良いことを挙げました。1枚だけ取り出して別にしまうと、その条件から外れてしまいます。
外国の記念銀貨でも同じです。2024年には、中国の三國志をテーマにした記念銀貨4種を、鑑定書とケースが付いたままの状態でお預かりしました。ケースに入っていない古銭も、見つけたときのまとまりを崩さないでください。
数えず、仕分けず、1枚も抜かずに見せてほしい
額やアルバムに収められた古銭はそのまま外さず、缶や箱に入っていたものは入れ物ごと残してください。当店が2016年に書いた記事でも、古いお金は使い道がなく、簡単に捨てられるものでもないので、見つけても元の場所にしまい直す方が多いようだ、と書いています。しまい直すときも、見つけたときの形のままで構いません。
2015年には、古銭の入った額をお客様がお店まで持ってきてくださいました。拝見すると、ほかの古銭に交じって、1円銀貨や五十銭銀貨が入っていました。ひとつの額の中に、素材の違う硬貨が並んでいたのです。
量が多くても同じです。2016年には、お医者様のお宅の蔵から出てきた寛永通宝を約7.7kgまとめてお預かりしました。江戸時代に広く使われた、真ん中に四角い穴のある銭です。その記事では、ひとくくりの中に違うものが混ざっている場合がある、とお断りしています。空き家や蔵、遺品の整理でお伺いするときに、こうした品に出会うことがある、とも書きました。
スタッフのひとこと
価値がなさそうに見える1枚も、先に抜かずに残しておいてください。古銭の額の中に、1円銀貨や五十銭銀貨が混ざっていたこともあります。選り分けるのは、私たちが拝見したあとで十分です。
査定で最初に見る、硬貨の種類と金・銀の刻印
私たちがまず確かめるのは、どの種類の硬貨かです。寛永通宝のような古銭、五十銭・二十銭・一圓といった古い貨幣、記念硬貨、記念メダル、外国のコイン。2014年の銀貨の出張買取の記事には、一般のお宅からはモントリオールの銀貨、1万円銀貨、10万円金貨、5万円金貨、フランクリンミント社の記念メダルなどがよく出る、と書いています。
当店では、2016年に五十銭・二十銭・一圓などを約716g、2024年に地方自治法施行六十周年記念の千円銀貨のプルーフ貨幣セットをお預かりしました。日本万国博覧会の記念メダルの記録もあります。
次に素材を見ます。金や銀が使われているものは、刻印と重さを確かめます。刻印の読み方と、重さで見る考え方は、貴金属を売る前の記事に書いています。
最後に、表面のすり傷や摩耗、汚れや変色、ケースや鑑定書の有無を見ます。金額は種類や状態によって変わるため、ここではお示しできません。写真を撮るときに、ばらの硬貨は表と裏の両面を写していただけると助かります。額やケース、貨幣セットに入ったものは、出さずに入れ物ごと写してください。
古銭と一緒に、掛け軸や茶道具などの骨董品が出てきたときは、次の専門サイトもあわせてご覧ください。
骨董品・古美術品の査定について
掛け軸・陶磁器・茶道具などの査定で見るポイントは、骨董品買取の専門サイトで詳しくご案内しています。富山・石川・福井の北陸3県は、ご相談と出張査定に費用をいただきません(ほかの地域はご相談ください)。
よくいただくご質問
缶にばらばらに入っていて、何枚あるかも分かりません
数えずに、缶ごとお持ちください。量が多いときは、お伺いしての査定もご相談いただけます。買取できるものがなかった場合でも出張料など費用が発生することはありません。対応エリアの外は、事前に写真のやり取りとお伺いのうえで、伺えるかを判断しています。
貨幣セットの入れ物から、何枚か抜けています
抜けたままでもご相談いただけます。抜いた硬貨がどこかに残っていれば、一緒にお持ちください。入れ物だけ、硬貨だけになっているものも、捨てずに残しておいてください。
外国のコインで、どこの国のものか分かりません
分からないままで構いません。当店では、中華民國の壱圓銀貨や、イギリスのダイアナ妃の追悼記念の金貨・銀貨、カナダのモントリオールオリンピックの銀貨セットもお預かりしてきました。国の名前が読めなくても、写真から確かめていきます。
引き出しの菓子箱は、ふたをして元の場所にしまい直す前に、中身をそのまま私たちに見せてください。磨かず、数えず、仕分けずに、見つけたときの形でお持ちください。
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コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 記念の千円銀貨プルーフ貨幣セット。アクセサリーだけが貴金属ではない、という例です。記念硬貨はケースやセットを崩さずに見せていただきたい理由を、古銭・記念硬貨は汚れていても磨かないにまとめています。 […]