「こちらの品は、あまり価値がありません。ゴミとして処分するなら、こちらが無料で引き取りますよ」
こういう言い方で、金額も出さないまま持って行ってしまう業者がある、と聞きます。あとから調べたら相当なものだったと分かっても、もう手元にはありません。
こんにちは。リサイクルショップバイキングのスタッフです。富山・石川で、古物の買取と遺品整理の仕事を20年以上続けています。その前は質屋に勤めていました。
骨董品は、持っている方ご自身が価値を測りにくい品物です。その分からなさに付け込まれると、被害に気づくのが遅れます。ですから今日は、業者を見分ける話ではなく、その場で確かめられることの話をします。
先に結論
人柄や口調で見分けようとしないでください。確かめるのは3つです。古物商の許可番号が出てくるか。査定の根拠を説明できるか。今日は決めないと伝えたときに、素直に引き下がるか。この3つは、専門知識がなくてもその場で確認できます。
まず、許可番号を聞いてよい
古物の買取は、公安委員会の許可を受けた事業者が行う仕事です。許可番号は営業所に掲げる標識に記載されていますし、ホームページで買取の取引をしている業者は、許可した公安委員会の名称と許可証番号を表示することになっています。聞かれれば答えられて当たり前のものです。
弊社の場合は、富山県公安委員会 第501150000316号。骨董品買取の専門サイトにも掲載しています。
これを聞くのは、失礼なことではありません。むしろ、聞かれて言いよどむ相手のほうが問題です。会社概要や所在地が書かれていない、書かれていても連絡が取れない。そうした相手と、その場で取引まで進める必要はありません。
ただ、許可番号があるからといって、それだけで安心とも言い切れません。次に確かめることがあります。
査定の根拠を、説明できるかどうか
金額だけを告げて、なぜその金額なのかの説明がない。これは、こちらから見ても危ない兆候です。
骨董品や古美術品を拝見するとき、私たちが見ているのは作者、時代、保存状態、共箱の有無、鑑定書、落款や印章、傷み具合といったところです。同じ品物でも、これらの条件で評価は変わります。だから、根拠を説明せずに金額だけを言うことは、そもそもできません。実際に銀瓶や鉄瓶、火鉢、掛軸を拝見したときの記録もご覧いただけます。
スタッフのひとこと
説明を聞いても専門用語が分からない、ということはあると思います。そういうときは、その場で「それはどういう意味ですか」と聞いてみてください。言い換えて答える人か、話を先へ進めてしまう人か。それで分かります。
電話やメールの段階でも、この違いは出ます。どういう点を見て査定するのか尋ねてみてください。「共箱があるかどうかで変わります」と具体を返す相手か、「見てみないと何とも」で切る相手か。そこで分かれます。
「全て処分になります」と言われたとき
金沢市のお客様が、別の遺品整理業者に見積もりを頼んだところ、「全て処分となります」と言われたことがありました。骨董のようなものも、貴金属も、掛軸もあるお宅です。
このお客様が動けたのは、ご友人の一言があったからでした。買取できるところにも見せてみたら、と。二社目に当たるという発想さえあれば、それで足ります。
実際にお伺いして一部屋ごとに見ていくと、古伊万里の壺、掛軸、掛時計と、買取の対象になるものが残りました。記録は金沢市での遺品整理お見積もりの事例にあります。
人柄が良いことと、金額の根拠を示せることは別だ、ということです。「全て処分」と言われても、それが唯一の答えとは限りません。
出張査定の当日にできる備え
その、もう一社を呼ぶときの話をします。ご自宅に来ていただく形は、お客様にとって楽な方法です。ただ、家のなかで一対一になるという性質もあります。当日までにできることを挙げておきます。
- ご家族かご友人に、同席をお願いしておく
- 査定してほしい品物と、見せない品物を先に分けておく
- 売るかどうかはその日に決めない、と最初に伝えておく
- 金額と品名が書かれた明細を出してもらう
- 会社名・担当者名・連絡先を控えておく
とくに3つ目が効きます。「今日は金額を聞くだけです」と先に言っておけば、その場で決める流れになりません。ここが、冒頭に挙げた3つ目の確認です。まっとうな業者なら、それで嫌な顔をすることはないはずです。
あわせて、買取のときに身分証の提示を求められても身構えないでください。本人確認と取引の記録は、古物営業法で決められていることです。求められないほうが、むしろ不自然です。
逆に、断っているのに訪問を迫ってくる、「今売らないと価値が下がる」と急がせる、契約書や領収書を省こうとする。そういう相手とは、玄関先で終わらせて構いません。
ちなみに弊社では、買取できるものがなかった場合でも、出張料などの費用をいただくことはありません(ある日の出張買取の記録)。だから、今日決めてくださいと申し上げる理由が、こちらにはないのです。
骨董品・古美術品の査定について
掛軸・陶磁器・茶道具などの査定で見るポイントは、骨董品買取の専門サイトで詳しくご案内しています。ご相談・出張査定は無料です。
渡してしまったあとでも、手はある
もし強引に持って行かれてしまった場合でも、そこで終わりではありません。取引のしかたや品物によっては、あとから取り消せることもあります。ただ、どの決まりが当てはまるかは一件ずつ違いますので、記事の上で「こうすれば必ず戻ります」とはお伝えできません。動くのは早いほうがよく、順番は次の3つです。
制度が使えるかどうかの個別の判断は、消費生活センターにご相談ください。私たちが法律のご相談をお受けすることはできませんが、必要であれば弁護士や司法書士といった専門家をご紹介しています。
よくいただく質問
鑑定書がないと、見てもらえませんか
鑑定書がなくても拝見します。あれば判断の助けにはなりますので、保管されていればご提示ください。
まず何社かに相談したいのですが
構いません。金額の根拠はご説明しますので、納得してから決めていただければと思います。
写真だけ先に送っても構いませんか
構いません。むしろ、その形をおすすめしています。品物の全体と、銘や落款、箱の蓋が写っていると助かります。
数が多くて、何から見せればいいか分かりません
選別していただかなくて大丈夫です。そのままの状態で拝見するのが、いちばん確かです。
どのあたりまで来てもらえますか
富山県・石川県を中心にお伺いしています。エリアの外は、一度ご相談ください。
その場で決めない、それだけで大丈夫
「無料で引き取りますよ」という一言が怖いのは、金額の話をしないまま、所有権だけが移ってしまうところです。だから、確かめることは3つだけで足ります。
許可番号を聞く。根拠を尋ねる。今日は決めないと伝える。その場で決めないというだけで、防げることは多くあります。
お手元の品物で迷っておられるなら、まず1枚だけ写真を撮ってお送りください。金額の話は、そのあとで構いません。
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