こんにちは。リサイクルショップバイキングのスタッフです。古物と骨董品の査定を専門にして二十年以上になります。
同じ品物なのに、店によって査定額が違う。そう感じられたことがあるかもしれません。理由は単純で、骨董品の金額は品名で決まらず、作者・時代・保存状態・付属品・そのときの市場で決まるからです。どこを見て、どう評価するかが店ごとに違えば、出てくる金額も変わります。
お持ち込みいただいたとき、「前にほかで見てもらった金額と違うんですけど」と言われることがあります。以前どこかで聞いた金額が、いまも同じとは限りません。記事の上で相場をお示しできないのも、ここが理由です。
先に結論
査定額は、作者・時代・保存状態・共箱や鑑定書などの付属品・そのときの市場を組み合わせて決まります。金額そのものは記事ではお伝えできません。お手元でできるのは、付属品を探して、写真を撮って残しておくことです。
査定で見ているもの
骨董品の査定でこちらが確かめているのは、次のようなところです。現場では、品物を手に取って、まず全体を見て、それから細かいところへ移ります。
- 作者と時代(銘、落款、印章があるか)
- 保存状態(ひび、欠け、直した跡、汚れ)
- 共箱があるか、箱の蓋に書き付けがあるか
- 鑑定書、保証書、購入時の書類が残っているか
- 同じ作家・同じ種類のものが、いま動いているかどうか
この五つのうち、最後の一つだけがお客様の側では見えません。市場は動きます。数年前に評価が高かったものが今は落ち着いていることもあれば、その逆もあります。同じ品物でも査定の時期で金額が変わるのは、ここが動くからです。
付属品でなぜ変わるのか
共箱や鑑定書があると評価が変わる、という話はよく聞かれると思います。これは「箱に値段が付く」という意味ではありません。品物がどこから来たものかをたどれるかどうかが変わる、ということです。
箱の蓋の裏に書き付けがあれば、誰の作か、いつのものか、どう伝わってきたかの手がかりになります。手がかりが多いほど、次にお譲りする相手にも同じ説明ができます。逆に、品物だけが手元にあって由来が分からない場合、こちらとしては慎重に見るほかありません。
スタッフのひとこと
市場が動くという話は、こちらの都合に聞こえるかもしれません。ただ、査定の場でいちばん申し上げにくいのが、以前の金額を伺ったときです。数年前のお値段を覚えていらっしゃる方に、いまの見立てをお伝えする。この場面がお宅にお伺いするたびにあります。
百五十点を二日かけて見た例
点数が多くても少なくても、見る手順は変わりません。分かりやすい例を一つ挙げます。県外の資産家のお客様から、先代が所有されていた絵画を売却したいというご相談をいただいたことがあります。デパートの外商部や画廊から長年にわたって買い集められたもので、日本画と油彩が中心でした。
百五十点ほどのお品を、二日かけて一点ずつ拝見しました。そのうえで本社に戻り、提案書をお作りしています。経緯は美術品(絵画)の出張買取事例に書いています。
なぜ二日かかるのか。作者、時代、保存状態、付属品。この四つは一点ごとに違うからです。同じ作家の同じ画題でも、状態が違えば別の見立てになります。まとめていくら、という出し方をしないのはそのためです。
逆に言えば、点数が少なくても見る手順は同じです。一点だけのご相談でも、同じところを同じ順番で確かめます。
作者や時代の見方は、品目ごとに変わります。掛け軸と陶磁器と茶道具では、そもそも見る場所が違います。
骨董品・古美術品の査定について
掛け軸・陶磁器・茶道具などの査定で見るポイントは、骨董品買取の専門サイトで詳しくご案内しています。富山・石川・福井の北陸3県は、ご相談と出張査定に費用をいただきません(ほかの地域はご相談ください)。
査定を頼む前にしておくとよいこと
金額を上げるための工夫、というものはありません。実際にできるのは、判断の材料をそろえておくことだけです。
まず、査定にお出しになるときに、洗ったり磨いたりしないでください。汚れを落とそうとして表面を傷めてしまうと、元には戻りません。次に、箱と付属品を探してください。最後に、写真を撮ってください。品物の正面、裏側の銘や印、箱の蓋の表と裏。この四枚があれば、お持ち込みいただかなくてもご相談を始められます。
よくある質問
鑑定書がないと売れませんか。
鑑定書がなくても査定はいたします。ただ、由来をたどる手がかりが少ないぶん、こちらの見方は慎重になります。
写真だけで金額が分かりますか。
写真でお伝えできるのは、どういう品物かという見当までです。「写真で分かる範囲でいいので」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、金額は実際に品物を拝見してからのご提示になります。お電話でも、まずどういうお品かを伺うところから始めます。
その場で決めなければいけませんか。
いいえ。お見積もりをお出ししたあと、後日お決めいただいて構いません。金額にご納得いただいた場合のみお譲りいただいています。
まとめ
査定額は、作者と時代、状態、付属品、そのときの市場が重なって決まります。品名だけで一つに決まるものではないので、以前聞いた金額と違っていても不思議ではありません。
手を加えず、箱を探し、写真を四枚。この順番で進めていただければ、私たちも見当のつく状態でお話を始められます。






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