査定にお伺いして、お値段が付かなかったものが残ることがあります。そのとき「ついでに持っていってもらえますか」と言われるのですが、これはお引き受けできません。買い取ることと、ごみを引き取ることは、別の許可でできている仕事だからです。
お客様からすると同じ日の同じ作業なので、この違いは分かりにくいと思います。「え、リサイクルショップなのに」と言われることもあります。
私たちが査定を終えて玄関を出るとき、部屋の隅に残った段ボールを振り返って気にされる方は少なくありません。その気持ちはよく分かるので、その先をどうするかまで書いておきます。
先に結論
古物商の許可は、中古品などの売買を行うための許可です。ご家庭から出る廃棄物を集めて運ぶには、市区町村の「一般廃棄物処理業の許可」または市区町村からの委託が必要で、古物商の許可では回収できません。お値段が付かなかったものは、お住まいの市区町村が案内するルールで処分することになります。
この記事で確認できること
- 「買い取る」と「回収する」の許可の違い
- 家庭から出るものを回収できるのは誰か
- 「無料回収」の勧誘で起きていること
- お値段が付かなかったものの持っていき先
- よくいただくご質問
「買い取る」と「回収する」は、別の許可でできている
私たちは古物商の許可を受けて営業しています。富山県公安委員会の第501150000316号です。
この許可でできるのは、中古品を買い取って売ることです。環境省の案内にも、古物商の許可は「中古品などの売買を行うための許可」だと書かれています。
つまり、この許可は品物を商品として扱うためのものであって、ごみを引き取るためのものではありません。同じトラックに載せるように見えても、法律の上では別の話になります。
家庭から出るものを回収できるのは、市区町村の許可を受けた業者
では、ご家庭の不用品を回収できるのは誰か。環境省は次のように整理しています。
- ご家庭から出る廃棄物を集めて運ぶには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」または市区町村からの委託が必要
- 古物商の許可は、中古品などの売買を行うための許可。回収のための許可ではない
- 工場や企業から出る廃棄物を扱う許可は、これらとはまた別のもの
出典は環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」です(2026年9月7日確認)。
チラシやホームページに許可番号が並んでいても、その番号が何の許可なのかで意味が変わります。ここが見分けるところになります。
私たちも現場で、お客様から「この前ポストに入っていたチラシ、頼んで大丈夫でしょうか」と見せていただくことがあります。台所のテーブルの上に広げて一緒に見るのですが、許可の種類まで書かれているものは、あまり見かけません。
スタッフのひとこと
「うちは買取まで」とお伝えすると、そっけなく感じられることがあります。ただ、ここを曖昧にしてお引き受けすると、お客様にご迷惑がかかります。できることとできないことを最初にお話しした方が、後のご案内がはっきりします。
「無料回収」の勧誘で起きていること
環境省は、無許可の回収業者について具体的な勧誘の型を挙げています。街中を大音量で巡回する、空き地で回収する、チラシを配布する、インターネットで広告を出す、の四つです。
そして、こうした業者に渡したあとに起きている問題として、次の三つが報告されています。
- 不法投棄。回収された廃家電や粗大ごみが投棄された事例
- 不適正処理。環境対策を行わずに廃家電を壊し、フロンガスや鉛などの有害物質が放出される
- 不適正な管理による火災。廃家電は電池やプラスチックを含むため、発火・延焼の危険がある
高額な処理料金を請求された事例もあるとされています。国民生活センターにも、不用品回収サービスについての相談が2021年度に2,231件寄せられています(国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」2022年11月2日/2026年9月7日確認)。
無料と書かれていても、作業のあとで請求が出てくることがあります。ここは覚えておいていただきたいところです。
お値段が付かなかったものは、どこへ持っていくか
査定でお値段が付かなかったものは、そのままお客様のお手元に残ります。その先は、お住まいの市区町村が案内するルールに沿って進めていただくことになります。
環境省も、廃家電や粗大ごみなどの廃棄物は市区町村が案内するルールで処分し、処分方法が分からないときは市区町村に問い合わせるように案内しています。
処分の方法についてのご相談は承っています。どこに聞けばいいか分からない、という段階でも構いません。
査定でお伺いした際、玄関先で「これ、市のシールって何枚要るんでしょうね」と聞かれることがあります。その場でお答えできる範囲はお話ししますし、自治体の窓口を見ていただくほうが早いときは、そうお伝えします。
よくいただくご質問
仏壇や神棚はどうすればいいか
扱いが分かれるところなので、まずご相談ください。仏間で手を合わせてからでないと動かせない、というお宅もあります。中に入っているものと、外側の家具としての部分で、話が変わることがあります。
残ったものを丸ごと片付けたい
買取の部分と、処分の部分に分かれます。お伺いしたときに、どこまでが買取で、どこからが処分になるかを分けてご説明しています。誰が行うのかが見えると、進めやすくなります。
不動産屋に「空っぽにしてください」と言われた
お家をお引き渡しする際の条件として言われることがあります。押し入れの奥や物置の中まで、というお話になることもあります。期限が決まっていることもあるので、早めに動き出したほうが楽です。
タンス一本だけでも見てもらえるか
品物によります。実際に、お写真だけで確認できることもあります。まず送っていただくところからで構いません。
まとめ
買取と回収は、別の許可でできている仕事です。
- 古物商の許可は中古品などの売買のための許可。ごみの回収はできない
- ご家庭の廃棄物の回収には、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が要る
- 「無料回収」をうたう勧誘には、不法投棄・火災・高額請求の事例が報告されている
- お値段が付かなかったものは、市区町村が案内するルールで処分する
- 家電4品目は家電リサイクル法の対象で、扱いが別
「ついでに持っていってもらえますか」。お断りしているのは、面倒だからではありません。
その場でお引き受けしてしまうと、そのあとの処理を誰も確認できなくなります。だから、できることとできないことをはっきりさせています。






コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 私たちが受けている古物商の許可は、中古品を売り買いするための許可です。品物を買い取る話と、回収して処分する話は、別の許可で動いています。くわしくは買取と回収は別の許可の記事にまとめています。 […]