遺品整理とゴミ屋敷が重なったとき、どこから手をつけるか

リサイクルショップバイキング金沢本店のスタッフです。遺品整理のお宅にお伺いしています。

ものが積み上がったお部屋の片付けは、仕分けから始めません。まず、足元と空気からです。

廊下の片側にだけ人が通った跡の細い道ができていて、その両脇に紙袋と衣類が積み上がっている。遺品整理でお伺いするお宅には、そういうお部屋もあります。

「どこから手をつけたらいいのか」。そう思われて当然だと思います。順番だけ、先にお伝えします。

先に結論
順番は、安全の確保、通り道づくり、書類と貴重品の確保、そのあとが仕分けです。この順番を崩すと、危ないうえに二度手間になります。どんな状態でも、片付けてからお呼びいただく必要はありません。

目次

最初にやるのは、片付けではない

亡くなった方のお部屋がそのまま残っていて、しかもものが積み上がっている。この2つが重なると、気持ちの負担が一気に大きくなります。

それでも、いきなり真ん中の山から手をつけないでください。足場が崩れます。私たちが現場で最初に確かめるのは、床が見えている場所と、窓が開くかどうかです。

厚手の手袋、マスク、底の丈夫な靴。この3つは、ご家族が少しだけ手を動かす場合でも用意していただきたいものです。

夏場は、それに加えて水分と休憩です。閉め切った部屋で一気に進めようとすると、体のほうが先にまいります。半日で一部屋、と決めて区切ってください。

  • 玄関から一部屋ぶんの通り道をつくる(運び出しの経路になる)
  • 窓を開けて風を通す
  • 床に置かれた割れた食器やガラス、電池、スプレー缶を先に取り除く
  • 冷蔵庫と水回りは、中身を出す前に電源と栓の状態を確かめる
  • 写真を数枚撮っておく(見積もりの相談がその場でできる)

書類と貴重品だけは、ご家族の手で

通り道ができたら、次は探しものです。通帳、権利証、保険証券、年金の書類、印鑑。この5つは、ご家族が確かめてください。

ものが多いお宅では、これらが思わぬ場所から出てきます。仏壇の引き出し、押し入れの布団の間、菓子箱の中。積み上がった紙の束を袋ごと処分してしまうと、あとで探しようがなくなります。

逆に言えば、この確認さえ済んでいれば、残りは急ぎません。

仕分けは、そのままの状態で見せていただく

ここでようやく仕分けです。といっても、ご依頼者様に選り分けていただくわけではありません。

どんな状態のお宅でも、そのままの状態で拝見できれば、お伺いした者が仕分けをいたします。お金になるもの、そのままお引き取りできるもの、処分に回るもの。この3つに分けていくのが、私たちの仕事です。

以前、遺品整理でお伺いしたお宅の記録がこちらの記事に残っています。貴金属やブランド品だけでなく、骨董品、古美術品、家電、オーディオ、カメラ、絵画まで、経験のあるスタッフと役員が査定にあたった日のものです。

片付いていないから恥ずかしい、というお声もいただきます。私たちは、片付いた状態のお部屋を見にお伺いしているわけではありません。

スタッフのひとこと
山の上のほうは新聞や雑誌でも、底のほうから桐箱が出てくることがあります。積み上がったお宅ほど、下から先に見たくなります。急いで袋に詰めてしまう前に、いちどお声がけください。

費用を膨らませない考え方

この種の片付けで費用が膨らむのは、処分に回る量が多いときです。ですから、お金になるものと、費用をいただかずに引き取れるものを先に抜いておくと、残りが軽くなります。

処分に回るものは、必要な許可を持つ業者へおつなぎします。無許可の回収に頼むと、あとから不法投棄のトラブルに巻き込まれることがあります。

お部屋の広さごとの料金の目安は、遺品整理の専門サイトの料金のご案内に掲載しています。実際の金額は、量と動線を拝見してからお出しします。

お電話でご相談をいただくときに、次のことを教えていただけると、お伺いする前に段取りを組めます。

  • 間取りと、手をつけていないお部屋の数
  • 玄関までの経路(階段か、エレベーターか、駐車場を横付けできるか)
  • においや虫が出ているかどうか
  • いつまでに終えたいか(引き渡しや退去の日が決まっているか)
  • ご家族で立ち会える日

「そこまで分かりません」で構いません。分かる範囲で結構です。

値段をお付けできるものが出てきた場合、その場で金額をお伝えします。処分の費用から差し引く形にすると、お客様の持ち出しが小さくなります。

仕分けのあとに残るもの

仏壇、神棚、位牌、アルバムや手紙。この4つは、最後まで残ります。買取や処分の話とは別の判断が要るためです。

私たちも、扱いをどうされるかを伺ってから進めています。決まっていなければ、その場で決めていただかなくて構いません。ひと部屋に集めておいて、日を改める形でも進められます。

なお、ご健在の親御さんのお宅が同じ状態になっている場合は、順番がもうひとつ手前から始まります。ご本人の同意です。判断が難しくなっている様子があれば、片付けより先に地域包括支援センターへご相談ください。

よくいただく質問

作業は何日くらいかかりますか

量と間取り、それから運び出しの経路によって変わります。実際に拝見してから、日数と人数をお伝えします。

仏壇や神棚が残っています

そのままにしておいてください。扱いをどうされるかを伺ってから、進め方をご相談します。

故人の兄弟にも声をかけたほうがよいでしょうか

相続にかかわる品物が出てくることがありますので、あとから話がこじれないよう、始める前にご家族で決めておかれるほうが安心です。

ゴミしか無いと思うのですが、見てもらう意味はありますか

「どうせ全部ゴミでしょう」。そう思っておられる方こそ、いちど見せてください。ゴミしか無かった、という結論も含めて、その場でご説明します。判断が付くだけでも、次の手を決められます。

どこから手をつけるか

順番は、安全の確保、通り道づくり、書類と貴重品の確保、そのあとが仕分けでした。冒頭でお伝えしたとおりです。

足元と空気、それから書類。ここまでご家族で進めていただければ、残りは私たちが引き受けられます。仕分けをする前に、まずはご家族だけで日取りを決めてください。

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この記事を書いた人

富山・石川を中心に、古物買取や遺品整理、空き家整理などの仕事に20年以上携わっています。

質屋での勤務経験もあり、これまで貴金属・時計・骨董品・昭和レトロ品など、さまざまな品物を見てきました。

「これって売れるの?」
「古いけど価値はある?」
「捨てても大丈夫かな?」

そんな身近な疑問に、古物・骨董品バイヤーとしての経験をもとに、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

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