揺れがおさまって、飾り棚の前に立つ。棚から落ちた茶碗が、床の上で二つに割れている。リサイクルショップバイキングで骨董品を拝見してきた立場から、地震への備えとしてお伝えしたいことは二つです。飾る数を絞っておくこと、そして割れた品をかけらごと残しておくことです。
「割れてしまったら、もう値打ちはないですよね」。かけらを新聞紙に包んで、ごみの袋へ入れる。その手を、少しだけ止めてください。
先に結論
家具の固定に加えて、飾っておく骨董品の数を絞り、飾らない品は元の箱に戻しておくと、揺れで落ちる品そのものが減ります。それでも割れてしまったら、接着したり捨てたりせず、かけらも一緒に残してご相談ください。
家具そのものの固定は、器具の選び方も含めて、家具や住まいの専門の案内に任せます。棚の中では、重い品や割れやすい品を高い段に置かないでください。
飾っておく品を、少し減らす
揺れたとき、落ちるのは棚に出してある品です。押し入れの低い段に箱ごとしまってある品は、落ちて割れる心配が小さくなります。
ですから、いちばん手のかからない備えは、飾る数を絞ることです。背が高くて倒れやすい花瓶や置物、蓋と身が離れやすい茶入や香炉、何年も同じ場所に置いたままで眺める機会の減った品。こうした品は、しばらく箱に戻しておくことを考えてみてください。「せっかくの品を、しまい込むのはもったいない」と感じるなら、季節ごとに入れ替えて飾る形でも構いません。
戻すなら、元の箱にしてください。箱に書かれた作品名や作者名は、その品が何かを後から確かめる手がかりにもなります。以前お買取りした輪島塗の沈金の茶器(茶入と茶筒)にも、共箱が付いていました。
骨董品・古美術品の査定について
掛け軸・陶磁器・茶道具などの査定で見るポイントは、骨董品買取の専門サイトで詳しくご案内しています。富山・石川・福井の北陸3県は、ご相談と出張査定に費用をいただきません(ほかの地域はご相談ください)。
揺れたあと、割れた品を片付ける前に
備えていても、割れるときは割れます。そのときに、かけらをまとめて捨ててしまわないでください。
私たちは、欠けやキズのある品物も拝見しています。割れた品にどれだけ値打ちが残るかは品物ごとに違うので、ここで一律にはお伝えできません。ただ、捨ててしまえば、手元に残すか手放すかを考える機会そのものがなくなります。
片付けるときに、守っていただきたい順番があります。
撮った写真は、LINEで送っていただけます。お宅でお話を伺うときにも、割れた直後の様子が分かる写真があると助かります。
直さずに、そのまま見せる
割れた茶碗を前にしたとき、接着剤で元の形に戻したくなります。大切にしてきた品であれば、なおさらです。
ただ、ご自分で接着すると、元の割れ方が分からなくなり、はみ出した接着剤もそのまま残ります。修理に出すにしても、私たちに見せていただくにしても、手を入れる前の姿が手がかりです。
スタッフのひとこと
私たちの側から言えば、きれいにしてから持ってきていただくより、割れたままのほうが助かります。割れ口の形や欠けたところに、確かめたいことが残っているからです。洗う、磨く、直す、の前に一声かけてください。手を加えて困る例は、美術品を売る前の“やりすぎNG”集にまとめています。
よくあるご質問
ひびが入っただけの茶碗も、見てもらえますか
ひびや欠けのある品物も、ご相談をお受けしています。どのくらい影響するかは品物によって違いますので、ひびの位置が分かる写真を添えてお送りください。
掛け軸は、掛けたままにしておいて大丈夫ですか
しばらく眺める予定がないなら、巻いて箱に戻しておくと、揺れで落ちて傷む心配が減ります。きつく巻かないなど、しまうときの注意は骨董品の保管方法の記事で触れています。
箱だけ残って、中身が割れてしまいました
箱も、捨てずに取っておいてください。割れた中身と一緒に、箱に書かれた文字を見せていただければ、何の品だったかを確かめる手がかりになります。
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まとめ
骨董品の地震への備えは、家具を留めることに加えて、飾る数を絞り、飾らない品を元の箱に戻しておくことです。割れてしまったときは、かけらも箱も一緒に残し、直す前に見せてください。
まずは今日、飾り棚でいちばん背の高い品か、蓋の離れやすい品を一つ、元の箱に戻してみてください。割れた茶碗を見つけた日は、ごみの袋を広げる前に、かけらを集めて写真を一枚撮るのが最初の一手です。






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