老前整理は、何を減らす片付けなのでしょうか。リサイクルショップバイキングのスタッフとして、私たちなら「動かすのに人手が要る物から」と答えます。
居間の奥の大きな食卓、客間の応接セット、二階の部屋に置いたままのたんす。毎日その横を通っていても、十年後にご自分で動かせるかと考えると、答えに詰まります。
「まだ体は動くし、片付けはもう少し先でいい」。けれど、体が動くうちでないと手放しにくいのが、こうした大きな物です。
先に結論
老前整理は、ご家族のためというより、これからの暮らしを、ご自分の手で扱える大きさにしておく片付けです。先に手放すのは、動かすのに人手が要る物のうち、今の暮らしで使っていない物です。服や本はあとからでも少しずつ減らせますが、大きな家具は、体力のあるうちでないとご自分の手で決めて出せません。
人手が要る大きな物から手放す
生前整理が、あとに残るご家族のことを考えて整える片付けだとすると、老前整理は、70代・80代になったときに暮らしやすい家にしておく片付けです。ご家族に向けた順番は、「生前整理は何から始める?」にまとめています。
順番は、物の数ではなく、大きさと重さで決めるほうが進めやすいと、私たちは考えています。
服や本、台所の小物は、年を重ねても一つずつなら袋に入れられます。先になってから少しずつ減らしても、ご自分の手で片付けられます。
大きな食卓や応接セット、たんす、食器棚は、そうはいきません。持ち上げるのに二人要り、階段や廊下の角を通すときにも手が要ります。体力が落ちてから手放そうとすると、誰かに運んでもらう段取りから始めることになります。
誰かに頼むのが悪いわけではありません。ただ、使っていない家具は、頼めるまで床と通り道をふさいだままです。体が動くうちに大きな物から決めておけば、残す物も手放す物も、ご自分の目で選べます。
人手が要る物を、家の中で書き出す
とはいえ、どれが「人手が要る物」なのかは、実際に家の中を歩いてみないと見えてきません。紙と鉛筆を持って、玄関から順に一回りしてください。書き出すのは、次のような物です。
- 一人では持ち上げられない家具(食卓、ソファ、たんす、食器棚)
- 二階や階段の上にあって、下ろすのに二人要る物
- 押し入れの天袋や物置の上の段にあって、踏み台に乗らないと出せない箱
- 使う人がいなくなった部屋に、置いたままになっている机やベッド
- 来客のためにそろえて、ふだんは使っていない座卓
書き出したら、今の暮らしで使っている物の横に、丸印を付けてください。毎日座る椅子や、毎晩休むベッドは残して構いません。老前整理は、今の暮らしを我慢するための片付けではないからです。
丸印が付かなかった物、つまり人手が要るのに使っていない物が、最初に手放す候補です。たとえば、家族が多かったころにそろえた大きな食卓も、ここに入ります。
スタッフのひとこと
迷ったら、十年後のご自分が一人で扱えるかを物差しにしてください。
使っていない家具は、粗大ごみに申し込む前に一度見てもらう
手放す候補を前にしたとき、次に浮かぶのは「これは粗大ごみに出すしかないのかな」という迷いだと思います。大きくて重い家具ほど、出す手間を考えて、処分の側に入れたくなるものです。
ただ、家具も作り手や素材によっては、買取や再利用ができる場合があります。以前、ノルウェーの家具メーカー、ブルクスボの伸長式のローズウッドのダイニングテーブルを、ダイニングチェアとあわせてお買取りしました。国内のメーカーでは、マルニ木工のアームソファの例もあります。
お宅の食卓がどこで作られた物か、分からなくても構いません。もちろん、家具なら何でも値段が付くわけではありません。付くかどうかは、実物を前にして作り手や素材を確かめてからのお話になります。だからこそ、粗大ごみの申し込みをする前に、一度見せてください。
運び出しは、一人で抱えない
手放す家具を選び終えても、まだ運び出しが残っています。階段を下ろす場面では、ご自分で抱えようとしないでください。体力のあるうちに、とお話ししてきたのは、ご自分で運ぶためではなく、ご自分で決めるためです。
運び出すときに気をつけたいことや、費用が何で変わるかは、「一人で運べない家具・家電を処分する前に」という記事に書きました。
片付けそのものをお任せいただくこともできます。富山・石川で遺品整理や生前整理をお受けしていますが、私たちがお運びするのは、買い取れる品と無料でお引き取りできる品に限られます。処分するしかない家具については、必要な許可を持つ業者の手配まで、あわせてお話しできます。
遺品整理・実家整理の料金について
お部屋の広さごとの料金の目安は、遺品整理の専門サイトに掲載しています。富山・石川が対応エリアで、現地にお伺いしてのお見積もりに費用はいただきません。
よくいただくご質問
60代になってからでも、間に合いますか
60代から始めても、遅すぎることはないと私たちは考えています。ただ、年を重ねるほど、大きな物を動かすのに手が要るようになります。60代から始めるときこそ、人手が要る物の書き出しから手をつけてください。
今も使っているのか、迷う家具があります
迷う家具には、丸印の代わりに「?」と書いておいてください。次の季節が過ぎるまでに一度も使わなかったら、そのときに「?」を消して、手放す候補へ移せば十分です。迷ったまま急いで決める必要はありません。
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まとめ
老前整理は、ご家族のためより先に、これからのご自分の暮らしのための片付けです。服や本はあとからでも減らせますが、動かすのに人手が要る物は、体が動くうちに決めておきたい物です。
紙を一枚持って、玄関から家の中を一回りしてみてください。一人では動かせない物を書き出し、今も使っている物に丸印を付けていけば、居間の奥の大きな食卓をどうするかも、ご自分で決められます。






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